(437)もがり笛風の又三郎やあーい/上田五千石(1933~1997年)
「どっどど どどうど どどうど どどう」と風が吹くと、現れるのが、風の神の子「風の又三郎」。皆さまご存じ、宮沢賢治の童話のタイトルであり、その主人公のあだ名。「もがり笛」は漢字で書くと虎落笛。竹を斜(はす)に組んだ柵に風が吹いてぴゅうぴゅう鳴る現象をこう言う。「どっどど どどうど」と虎落笛はちょっ…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。