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大崎・洞川院のアート作品 仏教触れる契機に<アングル宮城>

<融合>昨年末、モザイクガラスを使った3部作を本堂に掲げた。宗教界の先人らを描き、漆塗りの本堂に映える
<守護>紫水晶の石材、紫檀などの木材と金属素材を組み合わせた竜の造形。現代アートを思わせる。竜は仏法の守護者
<多様>最初に制作した「天部七十七面」の一部。様々な表情の面が並ぶ
<歓迎>来訪者を迎える善財童子の木彫(手前右)。禅峯さん(左)と檀家が、新たに金色のボタンなどを描いた欄間飾りを付け加えた
<光彩>檀家から寄贈された聖観音像。その両脇に海岸で集めたシーグラスで作った竜頭観音像のステンドグラスを配置した。背景から照明で照らされ、神々しい姿が浮かぶ

 大崎市鳴子温泉の寺院「洞川院(どうせんいん)」の本堂、境内に約80点の仏教絵画やアート作品が並ぶ。住職禅峯利行(ぜんぽうりぎょう)さん(64)が手がけた。「作品がお釈迦(しゃか)様の教えに触れるきっかけになれば」と語る。

 制作のきっかけは2017年、東京国立博物館の興福寺再建記念展。運慶作の「無著菩薩(ぼさつ)立像」と「世親菩薩立像」を見て衝撃を受けた。仏像を作る境地を知りたくなり、独学で面の「天部七十七面」や仏画「釈迦(しゃか)十二相図」を完成させた。

 粘土や金属など使う素材も広げ、ステンドグラスやふすま絵にも挑戦。檀家の理解もあり、建設会社や石材店が協力して石のオブジェなど大型作品も造った。

 「お釈迦様が現代に生きていれば歌を作り、ユーチューブ(動画投稿サイト)でヒットさせているかもしれません」。禅峯さんは柔軟な発想で制作を続ける。

 作品は土日に公開。連絡先は洞川院0229(83)2164。
(加美支局・阿部信男)

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