「男性に渡しやすい」コンドーム、女子大生が女性向けに開発 東北芸工大

女性の主体的な「避妊交渉」を後押ししようと、東北芸工大(山形市)企画構想学科4年の早坂緋奈乃さん(22)=仙台市青葉区=が、女性も手に取りやすいコンドームを開発した。パートナーらへの「渡しやすさ」を重視したといい、「避妊について相手に伝える助けになればいい」と願う。
パウチ式とお守り形の2種類
商品は早坂さんの卒業制作で、2種類。ダイヤの形のシールが付属の「comamo(コマモ)」は、透明な外袋にシールを貼るとダイヤの指輪のように見える。避妊の意思伝達をパートナーに愛を誓う指輪の授受になぞらえた。パウチ式の袋にすることで、かばんに入れやすくした。
お守りに似せた「COMAMORI(コマモリ)」は、花束をあしらったお守りの形をした布の袋に、コンドームが一つ入っている。親が子に避妊の話題を切り出す際に、贈ることなどを想定した。人目を気にせず持ち運べるのも特徴だ。

「避妊交渉はコミュニケーション」
「避妊は男性がするもので、女性からは言い出しづらいという意識があった」という早坂さん。交際相手ができた数年前に、友人から「ちゃんと避妊しなよ」とコンドームを渡され、意識が変わった。友人は緊急避妊薬を飲んだ経験があったといい、早坂さんは「自ら責任を持とうとする勇気をもらった」と振り返る。
製造を担ったのは堺市のコンドームメーカー中西ゴム工業で、早坂さんからの声掛けがきっかけになった。中西康彦社長(54)によると、業界内でも女性目線の商品開発に関心が高まっているという。「デザイン性だけでなく、相手への渡しやすさに主眼を置いた商品は斬新」と協力を決めた。
早坂さんは「避妊交渉はカップルにとって大切なコミュニケーション。これまで手に取りづらかったという人にも、ぜひ使ってほしい」と呼びかける。
価格はコマモが6個入り600円、コマモリは800円。通販サイト「アマゾン」などで25日から販売する。取扱店は順次、「COMAMORI PROJECT」インスタグラムで発表する。
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