日本三景松島の観光客、22年はコロナ下最多 全国旅行支援が後押し

国内有数の観光地松島がある宮城県松島町の2022年の観光客入り込み数が212万3521人となり、新型コロナウイルス下の過去3年間で最多だったことが24日、町の調査で分かった。コロナ前の19年比で71・2%にとどまったものの、全国旅行支援などの効果で回復傾向にある。
コロナ前の19年(298万1516人)、過去最低だった21年(123万9155人)と比較した22年の月別の入り込み数はグラフの通り。1~11月で21年同月を上回り、10月は19年同月も超えた。

協会長「インバウンドの回復に期待」
過去2年間のゴールデンウイークは緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令され、書き入れ時に予約のキャンセルが相次いだが、行動制限要請のなかった22年5月は21年同月の2・7倍となった。
お盆休みの8月は19年同月比で70・9%、9月は73・0%と増加を続け、全国旅行支援が始まった10月は0・6%増の26万666人と、コロナ下で初めてコロナ前の数値を上回った。
11月は下旬まで続いた円通院と瑞巌寺の紅葉ライトアップなどの効果で同年最多の35万4764人が訪れ、19年同月比で95・4%と高水準を維持。12月も96・3%を記録した。
22年の宿泊者数もコロナ下の20年以降で最多の41万3255人だったが、19年比では72・5%。年間の推移は観光客入り込み数と同様の傾向で、全国旅行支援の始まった10月に19年同月比で91・7%と増加した。
ただ、入り込み数と宿泊者数とも、記録の残る1989年以降で過去最低を更新した20、21年に続いて3番目に低く、依然として厳しい状況にある。
松島観光協会の志賀寧(やすし)会長(69)は「会社関係の団体客が減少しているのがコロナ前の数字に届かない要因の一つ。今年が正念場になるので、インバウンド(訪日客)の回復に期待しつつ、誘客につながる仕掛けを考えたい」と語る。
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