(522)よく眠る夢の枯野が青むまで/金子兜太(1919~2018年)
作者の金子兜太も、作るときは意識しなかったが松尾芭蕉の<旅に病(やん)で夢は枯野(かれの)をかけ廻(めぐ)る>の本歌取りのようだと話しています。目の前の実物を読むことの多い俳句において、夢を読むのはそれだけで大胆です。兜太の句は、冬の枯野が夏になり青々とするまで眠る、という大きな時間経過を読んでい…
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