(519)どの木にも風が棲みつき冬深む/黛執(1930~2020年)
この頃は季節が変わったという感動もなくなり、しんしんと降る雪に春の到来が待ち遠しくなってきました。昨日も冬で明日も冬、と寒さが極まる頃を冬が深まったとしみじみ思うのでしょう。葉を落としきった木の枝の間を寒風が吹き抜けていきますが、作者は一本一本の木に風が住んでいると捉えました。見上げても音ばかりで…
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