(517)ぶらんこをからだの骨としてつかふ/鴇田智哉(1969年~)
ぶらんこは春の季語。中国の春を招来する行事がもとになっている。この句からは、全身を使ってぶらんこを立ち漕(こ)ぎする様子が見える。金属の棒を丸い輪で複数繋(つな)いで垂らすぶらんこだろう。ぶらんこの接続部を、肘や膝など人の関節のように見立てた。漕いでいるうちにいつの間にか体とぶらんこが一体化してき…
関連リンク
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- ・(514)言霊のまず枯れそうな春の風邪/一関なつみ(1991年~)
- ・(513)雪螢束の間といふ刻のあり/増成栗人(1933年~)
- ・(512)春の雪誰かに電話したくなり/三代目桂米朝(1925~2015年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。