(523)目かくしをとれば雛(ひいな)の笑顔かな/市原多代女(1776~1865年)
多代女は江戸後期の須賀川の俳人。若くして夫と死別、家政と子育ての心労を癒やすために俳諧を学ぶ。その後多くの俳友と交わり余生を楽しんだ。芭蕉を尊敬し、句碑を建て弟子を育てて、地元に蕉風を伝えることに尽くした。女性が俳句を作るのが珍しい時代に、多代女は身辺の生活を柔らかな情感で詠んだ。掲句は、お雛(ひ…
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