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オリーブギンザケ初水揚げ 海面養殖、餌の効用検証へ 石巻専修大

いけすからギンザケを水揚げする関係者
オリーブの搾りかすや葉を混ぜた餌を食べて育った養殖ギンザケ

 石巻市雄勝地区の小島漁港で、市内で栽培されたオリーブを餌に混ぜて育てた養殖ギンサケが初水揚げされた。2018年から石巻専修大と市が進めてきた事業の一環。これまで陸上養殖で試してきたことを初めて海面で実施した。今後はブランド化に向け、身質や成分の分析、試食会などを実施する予定で、早ければ2024年度中の出荷を目指す。

 3月31日に水揚げしたギンザケは約350匹で、体長約40センチ、重さ約1・4キロ。雄勝湾で養殖されるギンザケの一部を専用のいけすに移し、オリーブの搾りかすや葉を混ぜた餌を1カ月間与えた。水揚げでは飼育面で協力した県漁協雄勝町雄勝湾支所青年部のメンバーが網ですくい上げた。

 同大によると、ギンザケの養殖に適した水温は10~15度。一般的には適温以外だと餌の食いつきが悪くなるが、オリーブ入りの餌は15度以上でもよく食べた。餌を食べたギンザケはポリフェノールを多く含むのが特徴で、身に臭みが少なく、コラーゲンが豊富で鮮やかな色になるという。

 魚が病気になりにくく、ストレスに強くなる効果もあったという。オリーブ入りの餌のメリットについて、同大理工学部の角田出教授は「オリーブ農家と漁業者が連携することで、特産品ができるだけでなく地域活性化にもつながる」と話した。

 同大と市などは今後、海面養殖用のマニュアル案をまとめ、生産者に提案していく。

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