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歴史劇で平和訴え 「石に刻んだ赤心」、石巻で上演 旧薩摩藩士と雄勝の交流描く

雄勝で硯職人になった話も盛り込まれた歴史劇

 1877年の西南戦争で敗れた旧薩摩藩士たちが、囚人として、雄勝石の採掘事業に携わった史実に基づく歴史劇「石に刻んだ赤心」(ふるさとの物語制作委員会主催)が9日、石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)で上演された。

 世界人権宣言75年、東日本大震災十三回忌の特別公演。仙台市を拠点に活動する劇作家・演出家・俳優の大日琳太郎さん(63)が作・演出を手がけた。

 劇は戦争で心に傷を負った囚人が、地元の人々と交流することで、次第に立ち直っていく姿を描いている。学校教育向けの石盤や硯(すずり)、屋根瓦に使う石の採掘をする場面や、大火の際に人命救助を行った逸話、出所後、雄勝で硯職人になった話も盛り込まれた。

 石に刻んだ赤心の初演は2018年で、石巻市雄勝地区で上演された。今回は5年ぶりの再演。終演後、大日さんは「戦争は最大の人権侵害だと聞く。平和とは何なのかを歴史や文化を通じて伝えたかった」と思いを語った。

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