七十七銀、過去最高益 コロナ禍収束で「景気持ち直し進む」頭取会見詳報します
七十七銀行は12日、2023年3月期連結決算を発表しました。純利益は前期比12・6%増の250億5600万円で、過去最高となりました。小林英文頭取は仙台市青葉区の本店で記者会見し、新型コロナウイルスの影響や原材料価格の値上がりに伴う運転資金のニーズなどに対応し、企業への貸出金が増えたことが大きな要因と説明しました。景気動向については「持ち直しが進んでいくだろう」との見方を示しました。
小林頭取が会見で語った主な内容は以下の通りです。
国内の景気は、資源高や海外経済減速の影響などを受けつつも、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐ中で、緩やかに持ち直していくと思われます。
宮城県内では、青葉山における次世代放射光施設ナノテラスの整備が進みますほか、仙台都心再構築プロジェクトなど、複数の大型プロジェクトの進展により、仙台圏の経済集積が進み、県内経済全体をけん引していくことが期待されます。
一方、(ロシアによる)ウクライナ侵攻や、資源高の影響、震災復興事業の反動など、県内景気の下押し要因については今後も十分に注視していく必要があります。当行としては、引き続き本部と営業店の行員が一体となり、金融仲介機能の発揮、お客さまの課題解決支援に鋭意取り組みたいと思います。
こうした中、地域金融機関としての使命を将来にわたって果たし続けるため、2030年度までの10年間を計画期間とする「『Vision2030』~未来を切り拓(ひら)くリーディングカンパニー~」が2021年4月よりスタートしました。金融サービスの充実と、非金融分野における事業領域の拡大により、お客さまに最良のソリューションを提供します。それとともに宮城、仙台圏を中心にネットワークを構築し、活躍のフィールドを広げ、地域をリードする企業グループへの進化を目指すため、新事業、新分野への取り組みをはじめとした各種施策への対応を強化しております。
本日発表する決算の内容です。概括しますと、取引先の運転資金および、設備資金のニーズを積極的に捕捉し、貸出金が増加しました。加えて米国金利の上昇に伴って外貨貸し出し利回りが上昇したことなどにより、貸出金金利が増加しましたほか、外貨債権の利息の増加等にもよりまして、有価証券利息配当金も増加しております。
また、新型コロナや資源価格高騰の影響によるランクダウンや倒産等が小康状態で、与信関係費用が減少したことなどから、最終利益は2年連続の増益、過去最高益となりました。
こうした業績等を総合的に勘案しまして、株主の皆さまからの日頃のご支援にお応えするため、2023年3月期の1株当たりの期末配当金は、予想から10円増配といたしまして、50円とすることにいたしました。正式には6月の定時株主総会での決議事項となりますが、中間配当を含めた当期の年間配当金は1株当たり90円となり、2021年度と比較して22円50銭の増配となります。
2024年3月期の年間配当金につきましては、業績予想を踏まえ、通期では1株当たり105円とする予定としております。引き続き、七十七グループの持続的な成長の果実を適切に還元したいと考えております。
最後になりますが、地域に山積する課題も多々ある中、当行では、役職員が一丸となり、地域経済を守り、地域価値の向上を図りながら、持続可能な社会の実現に向け、より一層貢献して参ります。
小林頭取一問一答
―増益の背景をもう少し詳しく教えてください。本年度の予想も増益の傾向が続いて、昨年度よりさらに利益が増えると予想していますが、この理由もお願いします。
「2022年度の決…
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