(602)ぶどうより柔らか雨蛙のおなか/神野紗希(1983年~)
雨蛙(あまがえる)はとっても可愛(かわい)い。雨が降りそうになると鳴き始める。言葉だけ見るとこの句も可愛らしいのだが、ひっくり返して雨蛙のおなかをつついているというのはなかなか特殊な状況でもある。理科の授業の解剖だとすると、おお、生きながら腹を裂くカエルをこんな風(ふう)に詠むなんて!とゾクゾクし…
関連リンク
- ・(601)戦争を知らぬ老人青芒/岸本尚毅(1961年~)
- ・(600)尺取虫老いは往ったり来たりする/武藤鉦ニ(1935~2021年)
- ・(599)太陽のゐ残る枝を下ろしけり/千葉皓史(1947年~)
- ・(598)風鈴を鳴らし只今換気中/仁平勝(1949年~)
- ・(597)らーめんつるつる梅雨空にもの申す/河村正浩(1945年~)