(598)風鈴を鳴らし只今換気中/仁平勝(1949年~)
コロナ禍では室内での感染防止に換気が不可欠となった。本来風鈴は風通しのよいところに吊るし、その音色に涼を感じ楽しむものだが、今や換気を確認する道具となったとの作者の皮肉ものぞく。クーラーの普及で、日本家屋の暑さ対策の簾(すだれ)やうちわ、打ち水も見なくなった。ところで風鈴は江戸時代に流行したようだ…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。