(600)尺取虫老いは往ったり来たりする/武藤鉦ニ(1935~2021年)
シャクトリムシは蛾(が)の幼虫で、指で長さを測るような動きで進むことからこの名が付いたそうです。初夏から秋まで現れますが、姿がよく見られて森の緑に際立つ夏の季語です。シャクトリムシの這(は)う様子と取り合わされているのは、作者の老いの実感です。活力に満ちた一日を過ごしていても、あるときにふと衰えを…
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