(599)太陽のゐ残る枝を下ろしけり/千葉皓史(1947年~)
暑い夏に風通しを良くするため、庭木や街路樹のもさもさした枝を払い落とす。これを「枝打ち」とか「枝下ろし」と言う。居久根や藪(やぶ)で囲った家で作業しているのを見かけることがある。ただこの句の場合、鬱蒼(うっそう)とした屋敷というよりはごく普通の庭木だろう。夕刻までの庭仕事の最後に、庭木の枝をばっさ…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。