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宮城県唯一の中学相撲部 先輩時疾風を追う<アングル宮城>

<全開>稽古の十番勝負で組み合う狩野さん(左)と熊谷さん。体形が異なる相手との戦い方を考えながら全力でぶつかり合う=栗原市の市栗駒武道館

 静まり返った土俵に「バチーン」と鋭い音が響き渡り、選手同士が激しくぶつかる。宮城県内の中学校で唯一、相撲部がある栗原市の栗駒中。部員は連日、辺りが薄暗くなるまで稽古に汗を散らしている。

 同部出身の時疾風(26)=本名冨栄秀喜=は県出身力士として28年ぶりに新関取となった憧れの先輩。大相撲での活躍に刺激され稽古にも熱がこもる。

 部員は部長の2年熊谷収さん(13)と1年狩野僚祐さん(13)の2人。同部OBで顧問の安藤拓哉監督(32)の指導の下、少数精鋭で日々技を磨く。

 稽古は週5、6日だが、そのうち2日は安藤監督が代表を務める「栗駒相撲クラブ」の活動に参加する。小学生に胸を貸し、時にはアドバイスする2人。先輩としての顔をのぞかせる。

 熊谷さんは汗を拭って「県中学総体の団体戦で優勝したい」と目を輝かせ、狩野さんは「技術を磨いて強くなりたい」と目標を語る。
(写真映像部・野界航也)

<風格>学校敷地内にある活動場所の栗駒武道館。土俵の上には地元関係者から寄贈された幕が張られ、厳かで立派な雰囲気が漂う
<結束>狩野さん(左)のまわしを締める熊谷さん。互いに支え合いながら、活動前の準備や片付けも分担して進める
<和気>稽古の合間に栗駒相撲クラブの小学生と会話する2人。時には取り組みについてアドバイスすることも。熊谷さんは「気軽に頼ってもらえる先輩でいたい」と話す

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