自閉症児の備え・安否確認に工夫を 仙台で「むすび塾」 環境変化への適応、親ら議論
河北新報社は2日、通算111回目の防災ワークショップ「むすび塾」を仙台市青葉区の河北新報社で開いた。自閉症スペクトラム障害(自閉症)の子を持つ親でつくる宮城県自閉症協会の役員ら5人が参加。東日本大震災を振り返り、自閉症の人と家族の備えや、会員間の安否確認について話し合った。
NPO法人自閉症ピアリンクセンターここねっとの黒沢哲常務理事(47)、仙台市泉区の桂連合町内会の山本寿充会長(62)が助言者として加わった。
協会は県内の自閉症児者の親103人で構成。自閉症の人は日常の生活パターンが変わったり、大勢の人で騒々しい場所に行ったりするとパニックに陥りやすく、急な環境変化への対応が難しいとされる。
役員都丸あさかさん(54)は「当時小学2年だった長男は地震の後、2時間泣き叫んだことがあった。水道が止まり、家で不自由な避難生活を送る中、苦し紛れに断水を絵で伝えたら通じた」と振り返った。
黒沢さんは「どんな配慮が必要か、日頃の備えが重要になる。防災訓練を家族と一緒に体験し、慣れ親しんでおくことが有効だ」と助言した。
町内会活動にデジタル技術を活用する山本さんは、グーグルフォームを使った簡単な安否確認システムを提案。「地区防災訓練では短時間で安否確認ができた。自閉症協会のネットワークに役立ててほしい」と語った。
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