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東北復興メダル展、きょうから 石巻のガラス作家・尾形さん出品 仙台フォーラス

モンゴルへの贈呈が決まった「大漁旗」
展示される復興メダル「さんまが大漁だ」

 東北を拠点にする工芸家たちが創作した復興メダル展「東北復興メダルプロジェクト2020-23」が19日から仙台市の仙台フォーラス7階で開かれる。石巻市からガラス作家尾形かなみさんの作品が展示される。TOHOKU FUKKO MEDAL PROJECT実行委員会主催。

 プロジェクトは東日本大震災時、支援してくれた世界各国に東北から感謝のメダル(直径約9センチ)を贈ろうと20年にスタート。被災地と世界をつなぐという趣旨に共感した東北の工芸家たち70人がそれぞれ感謝のメダル(贈呈・展示用2種類)を創作してきた。

 その一人が尾形さん。漁業を営んでいた父の漁船は津波で被災。尾形さんは当時、東京で活動していたが震災を機に帰郷、今回のプロジェクトに参加した。

 尾形さんが制作した贈呈用メダルは鯛(たい)と波、「祝」をデザインした「大漁旗」。既にモンゴルへの贈呈が決まった。展示用はサンマの群れを表現した「さんまが大漁だ」。ガラスならではの「透(す)け」を生かした奥行きのある作品になった。

 尾形さんは「『大漁旗』は文字通り大漁旗をモチーフにした。『さんまが大漁だ』は父の船がサンマ船だった」と説明した上で「励まし、助けてくれた海外の友達に感謝の気持ちを伝えたかった」と話す。

 展示作品にはガラスや木工、金工、染色、陶芸といった多様な素材が使われ、東北の工芸家たちの個性にあふれている。

 事務局の江口忠博さん(66)=長井市=は「贈呈用は今のところ20カ国に贈られる。『被災地と共に、世界と共に』という工芸家たちの思いを感じ取ってほしい」と呼びかける。

 会期は24日まで。開場は午前10時~午後8時(最終日は午後5時まで)。入場無料。連絡先は022(796)3308。

東北復興記念メダル作品紹介と制作意図 尾形かなみ(ガラス) | TOHOKU FUKKO MEDAL PROJECT 2020-23

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