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震災遺構・門脇小で語り部の話聞く会 元教頭の佐藤さん「短時間に判断、何度も」

当時の様子を説明する佐藤さん

 東日本大震災で甚大な被害を受けた石巻市震災遺構「門脇小」で13日、語り部の話を聞く会が開かれ、当時門脇小教頭だった佐藤裕一郎さん(70)が来場者34人に当時の様子を語った。

 佐藤さんは児童を校舎裏の日和山へ避難させた後、来校する保護者への連絡要員として他教員2人と学校に残った。土煙を上げ電柱を倒しながら押し寄せる津波を目撃。校庭にいた住民と校舎に逃げたが、燃えた家屋が次々に流れて来たため、山に移って命をつないだ。

 佐藤さんは日和山に避難した女性職員が海岸近くの施設に子どもを迎えに行こうとするのを引き留めた。「短時間に判断を迫られ、自分なりの判断をせざるを得なかった。お子さんは助かったが、そうでなかったら自分は恨まれていただろう」と振り返った。

 山梨県甲斐市から訪れた高校教諭の矢崎香織さん(49)は「当日のことが想像できて、その場での判断は大変だったのだろうと思った。自分が防災に取り組みながら生きることで生徒に伝えたい」と話した。

 佐藤さんは「自分なりにいろんな状況を考えながらシミュレーションすることが必要。臨機応変に対応するきっかけになるのではないか」と語った。

 語り部の話を聞く会は9月17日、11月19日、1月21日にも開かれる予定。

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