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「あしたは奇跡、今を生きよう」 語り部の高橋さん呼びかける 震災遺構・門脇小

「あなたの『ふるさと』はどこですか」と参加者に問いかける高橋さん

 石巻市の東日本大震災遺構「門脇小」で16日、本年度2回目の「語り部の話を聞く会」があった。塩釜市の高橋匡美さん(57)が自身の経験を語り、会場には集まった9人が耳を傾けた。

 高橋さんは東日本大震災で、両親を亡くし、生まれ育った石巻市南浜町の街並みも失われた。高橋さんはまず「あなたの古里はどこですか」と問いかけ、両親との思い出や震災当日の経験を話した。

 震災後初めて石巻に帰り、実家で母の遺体を発見した3月14日の体験は、当時撮影した南浜町や実家の写真を示しながら語った。高橋さんは「あしたが来ることは奇跡。今を一緒に生きましょう」と参加者に語りかけた。

 聴衆は高橋さんの繊細で力強い語りを聴き、当時を追体験した。仙台市の30代女性は「震災の被害には遭っていないが、直後の様子がその場に居るように伝わってきた」と話した。

 高橋さんは「自分事として捉えられるように、導入部分を丁寧に話している。心を込めて、丁寧に、全力で話すことがモットー」と語った。

 語り部の話を聞く会は8月13日、9月17日、11月19日、来年1月21日にも開催する予定。

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