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おもてなし心から 雨の中でもホットな応援

特産のワカメがたっぷり入ったみそ汁で身も心も温まるライダーたち=2016年9月18日午後1時ごろ、気仙沼市本吉町の蔵内エイドステーション

 県沿岸部で繰り広げられた自転車イベント「ツール・ド・東北2016」(河北新報社、ヤフー主催)は18日、2日間の日程を終えた。「東日本大震災から復興する被災地の姿を見てほしい」。石巻、気仙沼両市の発着点会場をはじめ、地域住民が出場者をもてなしたエイドステーション、あるいはコース沿道の仮設住宅前で、新たな交流と笑顔がまた一つ増えた。

 石巻市から気仙沼市にかけての沿岸を舞台にしたツール・ド・東北2016では、地元住民らが計10カ所のエイドステーション(AS)で地場産品を生かした料理を振る舞うなどした。冷たい雨の中を走るライダーたちは身も心も温まり、ゴールへの英気を養った。

 気仙沼市本吉町の蔵内ASでは、県漁協大谷本吉支所女性部が手作りの「カボチャまんじゅう」を用意。「雨にぬれて寒かったでしょう」と、今回は電子レンジで温めてから手渡した。

 受け取った東京都の会社員早稲田耕治さん(33)は「雨天のサイクルイベントは初めて。温かくて甘いまんじゅうが凍えた体に染み入る」と笑顔を浮かべた。

 地元住民が大漁旗を振ってライダーを励ましたのは、女川町のJR女川駅前の女川AS。駅前に常設されている足湯では、ライダーが代わる代わる脚を伸ばして休んだ。

 出場3回目の東北工大4年佐々木翼さん(22)=仙台市太白区=は「足湯で疲れが癒やされた。被災地の復興を肌で感じながらゴールを目指したい」と語った。

 石巻市雄勝町の雄勝ASでは、潮の香りを感じてもらおうと地元住民らが水揚げしたばかりのホタテを貝焼きで提供。手際よく焼き上げる姿を写真に収める参加者もいた。

 大振りのホタテは大好評で、同市職員の及川剛さん(52)は「もてなしは震災の支援の恩返し。私たちが頑張っている姿を見てほしい」と胸を張った。

 ボランティアの中には県外から来た人も大勢いた。南三陸町の神割崎ASでヒジキとワカメを使ったおにぎりを配った東京都の高校3年北川琳納(りんな)さん(18)は「復興の力になりたいと参加した。元気に走ってもらえるように応援したい」と力強く話した。

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