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(688)いなびかり鏡に近く眉をひく/椎名果歩(1977年~)

 真剣に化粧をしている女性。鋭く引かれる眉の線と、稲光のひやりとする感触が重なる。女性がメークをするのは、身だしなみを整えるためだろうが、この句からは自身にスイッチを入れる儀式のように思えてくる。ところで稲光は稲妻のことで、もとは「稲の夫(つま)」の意。古代ではこれを受けて稲が穂をはらむと信じられて…

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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