(747)霜柱覗(のぞ)き分け入りてもみたし/正木ゆう子(1952年~)
中学1年のとき、貯(た)めていた小遣いで顕微鏡を買った。花粉や虫などを見て楽しんだが、今でも覚えているのが雪の結晶。部屋では雪が融(と)けてしまうので、寒いのを我慢して外で観察した。六角状の形は美しかった。掲句の霜柱は、地中の水分が地面にしみだして凍った氷の柱だが、朝日に光るさまは美しく、じっと見…
関連リンク
- ・(746)詩の如くホットカーペットに座る/桑原三郎(1933年~)
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- ・(742)冬日差しごと体折り屈伸す/千倉由穂(1991年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。