(744)病棟は海鳴りのなか神の留守/櫂未知子(1960年~)
「神の留守」は、陰暦10月に全国の神々が出雲大社に集まるので、各地の神社はどこも神が留守になるということ。海沿いの病院に入院したのか。病気の身の不安な心情は、まるで響き渡る「海鳴り」のようだ。神の不在となった地での闘病は一層心細い。「神に見放される」という言葉があるが、しかしそう思った時にこそ、自…
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