(775)十二月飛べさうな石拾つてる/土井探花(1976年~)
これが「飛びさうな石」だと、不思議な力を持つ宝石というか、ちゃんと飛びそうな感じがする。「飛べさうな石」だと、翼が生えたら飛べそうな見た目なだけで、ただの石ころの感じ。万一飛んだとしても覚束(おぼつか)なさそうだ。でも、感情移入できるのはエレガントに宙に浮く宝石より、翼が生えて不器用に羽ばたいてい…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。