(817)メールする蔦の芽のやわらかいこと/神野紗希(1983年~)
こんなことをメールで伝えたことはありますか? 空が抜けるように青かったこと、見たことのない小鳥が鳴いていたこと、つぼみが開き始めていたこと。作者は蔦(つた)の芽に触れ、想像よりも柔らかかったことを誰かに送信したのです。空や風景は撮影して見せることができますが、蔦の芽の感触は写真では分かりません。同…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。