(812)立春の山が山押す陸奥(むつ)の国/木附沢麦青(1936~2022年)
作者は二戸市出身。八戸市に移住し、俳誌「青嶺」を創刊主宰した。生まれ育った二戸の山々を詠んだ句が多い。<山の影山にしたがひ冬に入る>は、冬になると山は動かず、影だけが付き従っているという。自身がどこにも行けないとの思いもあるか。掲句の立春は、東北では寒さの底のような厳しさだが、春を感じるのは気温で…
関連リンク
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