(818)わが机上バレンタインのはや来てゐ/後藤比奈夫(1917~2020年)
「うわあ、本当はうれしいのに、チョコなど貰(もら)って当然とばかり気取っちゃって。どうせオレはモテませんヨ」とちらっとでも思った方、痩せ我慢で「あれは商業主義のイベントだよ」などと自分に言い聞かせた貴方(あなた)、私のお仲間。ところで、この句は作者99歳の時の句。「参りました」である。どうりで、一…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。