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<音紡ぎ(42)>春 よみがえりの時に

 「ケーン、ケーン」。ひと月ほど前、久方ぶりの雪であたふたした日から数日後のこと。裏山にキジの声が響いた。窓を開けて姿を探すと、鮮やかな色を纏(まと)ったオスが1羽、当たり前のような風情で、そこにいた。「生きていた!」。安堵(あんど)とも、驚きともつかない、不思議な思いが湧いてきた。

 生家でもある自…

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