(876)げんげ田にころがっていた泣いていた/坪内稔典(1944年~)
耕作前の田に広がるピンクの花がげんげで、れんげ草とも言います。げんげ田で転がり泣いていたのは誰なのか、を考えると面白い句です。俳句は基本的に一人称で読むことが多いので、作者だとも、共感した読者の私自身が泣いていたとも読めます。しかし「ころがっていた泣いていた」という過去形が描写に客観性と距離を持た…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。