(877)ひとびとに柳絮(りゅうじょ)飛ぶ日の来たりけり/岩淵喜代子(1936年~)
「柳絮」は柳の種子。春に実が熟すと、白い綿毛に覆われた種子となってふわふわと空を飛ぶ。掲句は「柳絮飛ぶ日」を人々に訪れる幸運のように捉えている。「ひとびと」とはどのような人だろう。人生の冬のような、苦悩や困難を抱えてきた人かもしれない。作者もそのうちの一人だろうか。風に乗って運ばれる種がやがて発芽…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。