<大観音の傾き(6)>人間は互いに仕事を作り出す 山野辺太郎
タイムカプセルの展示物のまえでしばらく足を止めていた修司は、ようやく歩きだした。エレベーターに乗り込むと、最上階の十二階のボタンを押した。上昇するスピードの速い割に階数の増えるペースはゆっくりで、十二階といっても通常のビルよりずっと高いところにあるのだろうと思われた。
到着すると、金色に輝く空間に…
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