(911)均等に白磁濁らせ新茶注ぐ/帯谷到子(2008年~)
「均等に」に共感。「濁り」がこんなにも眩(まぶ)しいことに驚く。この眩しさは白磁の白と、新緑の緑を想起させる新茶の緑色のコラボのなせる技か。共感と驚きを季題でまとめ上げた一句だ。季題も単に「新茶」ではなく「新茶注ぐ」と動詞にした効果も見落とせない。<均等に白磁の濁り新茶かな>では掲句に満ちている能…
関連リンク
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- ・(907)今生に白眉いただく涼しさよ/大石悦子(1938~2023年)
- ・(906)老鶯やはなればなれにゐる夫婦/石寒太(1943年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。