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仙台駅西口・V字モニュメント「青葉の風」周辺に雑草茂る 玄関口として「恥ずかしい」

「青葉の風」を取り囲むように雑草が生い茂るJR仙台駅西口のロータリー

 仙台市青葉区のJR仙台駅西口ロータリーにあるV字のモニュメント彫刻「青葉の風」が、伸びた雑草で景観を損ねている。「杜の都の玄関口として恥ずかしい」との声が「読者とともに 特別報道室」に寄せられた。取材を進めると、雑草が目立つようになった背景には地球温暖化の影響もあるようだ。

 駅西口に足を運ぶと、モニュメントを囲む植え込みに高さ1メートル前後の雑草が茂っていた。ツタに覆われている部分があり、ケヤキの幼木が数本伸びているのも確認できた。

 モニュメントは、仙台市出身の彫刻家昆野恒(ひさし)(1915~85年)が制作。幅6メートル、高さ3・5メートル、重さ5トンの大作で、ペデストリアンデッキの完成を記念して81年に設置された。

 駅西口で休憩中の男性タクシー運転手(72)=太白区=に尋ねたら「こっちの方が深刻だ」とモニュメントの西に伸びる青葉通を指さした。中央分離帯には、ヒメジョオンやセイタカアワダチソウなどがびっしり生い茂っていた。

 植栽が縁石上にあるため雑草の高さは路面から1・7メートルほどに達し、反対車線の車がほとんど見えなくなっていた。9日に東北絆まつりのパレードがあった東二番丁通も同じような状況だった。

温暖化で伸び早く、連日苦情 青葉区「除草少し待って」

中央分離帯の雑草が伸び、反対車線が見えにくくなっている青葉通

 男性運転手によると、車道にはみ出た草で車両に傷が付く恐れもあるという。「観光客にも指摘される。これでは杜の都じゃなく『雑草の都』だ」と嘆く。

 ロータリーと駅西口周辺道路の中央分離帯は青葉区公園課が管理する。除草は年1回で例年、仙台七夕まつり前の7月ごろに実施するが、近年は温暖化の影響で雑草の伸び始める時期が早まり、丈が長くなる傾向にあるという。

 庭の除草を請け負う市シルバー人材センターの担当者も「5年ほど前までは梅雨明けごろに依頼のピークが来たが、最近は5月の大型連休明けから一気に増えている」と変化を語る。

 公園課には6月に入り、道路の雑草関連の苦情が毎日数件寄せられるといい、仙台駅周辺の除草を7月中旬に予定する。降幡賢太郎課長は「狭い箇所は職員が現地で刈り取るが、広い範囲の除草はもう少し待ってほしい」と理解を求める。(門田一徳)

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