震災や豪雨災害の記録を共有 仙台市がアーカイブ開設
仙台市は6月、東日本大震災をはじめとする災害の写真や映像を登録し、広く共有できるウェブサイト「災害記録共有アーカイブSORA(ソラ)」を開設した。インターネット上での公開と二次利用を通じ、震災の風化防止や地域防災力の向上につなげるのが狙い。市は個人や団体、企業などが保有する災害関連資料の提供を呼びかけている。
サイト名は「センダイ オープン レコーディング アーカイブ」の英単語の頭文字から取った。資料は写真や映像のほか、音声や文書の形式でも受け付け、市外で起きた災害も対象とする。
資料の登録にはソラのアカウント作成が必要。題名や撮影年月日、撮影場所を入力し、関連する災害名や注釈も付けられる。ダウンロードして利用することを想定し、「防災教育に使える」「切り取りを禁じる」といった利用条件も設定できる。
登録資料は市が内容を確認してから公開する。地図に加え、撮影年代やキーワード、関連する災害名でも検索できる。利用条件を守れば、防災教育の教材などのコンテンツ制作や各種の検討材料として使える。
市はソラ開設に合わせ、震災や2019年の台風19号豪雨、16年の熊本地震といった災害で、市や民間団体の関係者が撮影した写真と動画計125件を公開した。今後は能登半島地震の資料も登録するという。
市は青葉区青葉山地区に、新音楽ホールと震災中心部メモリアル拠点との複合施設を整備する方針。ソラの運用は開館を見据えた先行事業で、施設内にアーカイブの閲覧やワークショップでの活用を想定したスペースを設ける。
久光秀平震災メモリアル事業担当課長は「次の災害に備えるには、過去を知ることが不可欠。市民に協力をお願いし、開かれた形で資料を記録していく。地域や学校で資料を活用してもらうことで、災害を自分事として捉えられるようになってほしい」と話した。
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