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災害時機動力強化へ連携 石巻赤十字病院、パセオドライビングカレッジ 訓練に教習コース開放

運転訓練で教習所内のS字コースを走行する救護車両のトラック
覚書を交わした石橋院長(左)と小野寺社長

 石巻赤十字病院(石巻市蛇田)は12日、大規模災害の被災地などに派遣する救護班の機動力を高めようと、職員の運転訓練で協力する覚書を自動車教習所「パセオドライビングカレッジ」(同市鹿又)と交わした。教習コースを活用して普段からトラックなど大型車両の運転に慣れておくことで、人命救助のため一刻を争う災害時のスムーズな移動につなげる。

 同教習所が月2回、昼休みの1時間程度、病院側にコースを無償で貸し出す。病院職員らはトラックなどの派遣用車両を持ち込み、運転を訓練する。

 同病院は災害時、医師や看護師、事務職員らの初動救護班を被災地に派遣する。ワゴン車やトラックなどに診療テントや薬剤といった医療資材を積み込み、主に事務職員がハンドルを握って被災地へ向かう。

 病院によると、車両のうち4トントラックなどは日常業務で運転する機会が少ない。1月の能登半島地震の派遣では、事務職員が慣れない車両を初めての土地で運転することに不安を抱くなど、機動力に課題を感じたという。

 被災地では停電で街灯が消えたり、地割れや路肩の崩落など道路状況が悪かったりするケースも多く、平時から運転の習熟度を高める必要があると考えた。病院近くの同教習所に協力を打診し快諾された。

 同日は石橋悟院長、教習所を運営する河南安全自動車学校(同)の小野寺淳一社長が覚書に調印後、病院の事務職員が早速4トントラックで教習所のS字カーブを走るなどして、車両感覚を確認した。

 石橋院長は取材に「救護班が被災地に安全・確実に到着し、被災者が必要とする医療を提供できるよう訓練でしっかりと備えたい」と述べた。小野寺社長は「トラックの運転免許を当教習所で取得した病院職員も多く、迷わず教習コースの提供を決めた。有効に活用してほしい」と語った。

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