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全国高校野球宮城大会・2回戦 日本ウェルネス宮城、コールド勝ち

 第106回全国高校野球選手権宮城大会は14日、2回戦8試合を石巻市民球場など県内3会場で実施した。石巻勢では日本ウェルネス宮城が小牛田農林と同球場で対戦、11-1で六回コールド勝ちし、3回戦に進出した。仙台市民球場では石巻工が東北に4-5で、石巻西は仙台東に8-9でともに惜敗した。

 石巻勢では、石巻とウェルネスの2校が3回戦に進んだ。次戦は15日、ウェルネスが午前10時から古川学園と鹿島台中央野球場で対戦する。石巻は午後2時から仙台東と石巻市民球場で戦う。

   ◇

日本ウェルネス宮城、11得点

〔小牛田農林―日本ウェルネス宮城〕 1回1死二、三塁から先制の右越え2点二塁打を放つウェルネスの熱海

■2回戦(石巻市民)

小牛田農林     000100- 1
日本ウェルネス宮城 300215X-11 (六回コールドゲーム)
(小)寒沢、佐々木翔-佐々木翔、佐々木琉(日)熱海、吉川-川島、新沼櫂里
▽三塁打=新沼櫂我、川島、新沼櫂里(日)▽二塁打=熱海、下畑(日)

【評】ウェルネスが12安打を放ちコールド勝ちした。一回1死二、三塁から熱海の右越え2点二塁打などで3点を先取。2点リードの四回は新沼櫂我の2点三塁打で突き放し、その後も着実に得点を重ねた。投げても熱海、吉川のリレーで相手打線を1点に抑えた。

<投打で勝利貢献>

 ウェルネスの熱海が投打でチームの勝利に貢献した。昨秋の県大会以来の公式戦先発となった左腕は「四死球を出さず試合をつくれて良かった」とほっとした表情を浮かべた。

 直球とスクリューボール気味に沈むチェンジアップを決め球に5回1失点、7奪三振の好投。四回に1点を失うも「まだリードしている。焦ることはない」と切り替え、1死一塁からスライダーで遊ゴロ併殺に打ち取った。

 主砲も務める。一回の好機で内角のスライダーをうまくさばき、先制点となる長打も放った。「この1本で自分の投球が楽にできた」と胸を張る。

 次戦は昨夏敗れた古川学園。「先制点を取って必ず勝つ」と雪辱を誓った。

石巻工、東北に惜敗

〔石巻工―東北〕 1回1死二塁、石堂の左前適時打で生還した石巻工の早坂(右)

■2回戦(仙台市民)

石巻工 1000102000-4
東 北 1003000001X-5 (延長十回、十回からタイブレーク)
(石)鈴木、遠藤颯-早坂(東)川原、菊地、進藤、堀江-伊與田
▽三塁打=布川、伊与田(東)早坂(石)▽二塁打=川原、西城(東)

【評】石巻工は強豪と互角に戦ったが一歩及ばなかった。一回1死二塁から主将石堂の左前適時打で先制。四回に逆転されるも、七回に早坂と石堂の適時打で追い付いた。延長タイブレークの十回は表の攻撃で得点できず、その裏に失点してサヨナラ負けした。

<一進一退の攻防>

 延長タイブレークの十回、1死一、三塁の好機で打席が回ってきた石堂。どうしても得点が欲しい場面、内角を突く直球に手が出ず、見逃し三振に倒れた。「1本打てていれば結果は変わっていたかもしれない」と悔しさをにじませた。

 3年生が3人だけで、1、2年が主力のチーム。3年で主将の石堂は、ベンチで人一倍大きな声を出す。この日は先制打と同点打でチームを引っ張り、有力校と一進一退の攻防を演じた。

 後輩たちも奮闘した。5~9回を無失点に抑えた1年遠藤颯については「いつもは生意気だが、きょうは本当にいい投球をしてくれた」と感謝。来年に向けて「東北や仙台育英に勝って、甲子園に出場してほしい」と期待した。

石巻西、接戦落とす

〔石巻西―仙台東〕 9回2死二、三塁、相手投手の暴投の間に石巻西の桜井がホームインし、7―9とした

■2回戦(仙台市民)

石巻西 010021022-8
仙台東 04000203X-9
(石)和泉、雁部-久保田(仙)橋間、佐藤耀、阿部、渡辺-荒川
▽三塁打=桜井(石)▽二塁打=斎藤、星(仙)久保田(石)

【評】石巻西は後半に粘りを見せ追い上げたが惜敗した。4-6の八回、八木の内野安打などで同点に追い付いた。再び3点差に離された九回も敵失と高橋の適時打で1点差に。さらに2死二、三塁と一打逆転のチャンスをつくったが、あと1本が出なかった。

<最終打者、悔し涙>

 1点差に追い上げた最終回、2死二、三塁の好機で打席に立った今野大。「自分が打たないと、つなげないと」。さまざまな感情がこみ上げてきた。

 チームで戦略を練り、対策をしていた相手投手の直球を狙った。予想は外れ、変化球に空振り三振。最後のバッターとなり、悔しさに涙があふれた。「入部してからずっと一緒だった先輩が、自分のせいで引退になってしまい悲しい」と絞り出した。

 3年生は優しく、頼りになる存在だったという。九回、打席に向かう際も「緊張するな」「自分の打ちたい球を打て」と背中を押してくれた。今野大は「練習から全力で頑張り、ここぞという時に打てる選手になる」と前を向いた。

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