(952)ぬりかべというばけものと夏の月/渡辺誠一郎(1950年~)
妖怪ぬりかべと言えば、漫画「ゲゲゲの鬼太郎」でおなじみ。「ぬりかべ~」と言いながら道を通せんぼする。月が出ている夜道、暑くてなかなか足取りが重い。もしかしたらぬりかべがいて、通せんぼをしているのかも。想像を広げると何だか楽しい。蒸し蒸しする夏の夜だが、こうこうと輝く月はちょっとした涼しさを感じさせ…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。