(947)涼風や暮色の濃ゆき林より/高野ムツオ(1947年~)
河北俳壇選者高野ムツオ17歳の作。骨組みのしっかりした句柄は老成しているようで、「暮色」から涼風が吹いてくるという直感に若々しい発見がある。当時は「睦夫」名で作品を「駒草」に発表していた。掲句は「駒草」昭和39年10月号より。最新句集『片翅』には<みちのくの闇の千年福寿草>の句がある。50年前、ロ…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。