石巻の教訓、地元で伝承へ 名古屋の高校生ボランティア、震災遺構・大川小を視察
災害の教訓を地元に伝える活動に取り組む名古屋市の高校生ボランティアらが7月30日、東日本大震災の津波で児童・教職員計84人が犠牲になった石巻市の震災遺構大川小を視察した。生徒たちはわが子を失った同小遺族の語り部の話を聞き、未来の災害から命を守る決意を改めて固めた。
ともに名古屋市の私立菊華高と菊武ビジネス専門校の生徒でつくるボランティアチーム「TSUBASA」の約20人と教員らが現地を訪れた。同小6年生だった次女鈴木真衣さん=当時(12)=を失った鈴木典行さん(59)がガイドを務めた。
鈴木さんは児童らが避難しようとした川沿いの高台への経路や、保護者が「ここに逃げていれば助かった」と考えた裏山などを案内。多くの児童が遺体で発見された校舎近くの山裾では、土中から真衣さんを抱き上げた際の記憶を克明に語り「二度とこんなことが起きないよう、地元ではどんな災害が起きるのかを考え、命を守る行動につなげてほしい」と訴えた。
菊武ビジネス専門校1年の山本陽也さん(15)は「避難訓練で最悪の事態を想定することが重要だと思った」と話した。菊華高1年の後藤瑠那さん(16)は「訓練の実行性を上げられるよう学校に働きかけたい」と語った。
両校を運営する名古屋市の学校法人が、震災後に宮城県内で取り組んできた学習プログラムの一環で実施した。27、29日には南三陸町や気仙沼市も訪問。学んだ内容は両校の避難訓練や文化祭で活動報告として発表し、地域の防災力向上につなげる。
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