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養殖ノリ種付け、秋の到来告げる 収穫は11月上旬 石巻・渡波

水車を回してノリの種付け作業を行う組合員ら                  =30日午前6時45分ごろ

 石巻市渡波で30日、秋の訪れを告げる養殖ノリの種付け作業が始まった。県漁協石巻湾支所の組合員ら約50人が万石浦鮮かき工場の敷地内で早朝から作業に励んだ。

 組合員らは雨が降る中、ノリの網を巻き付けた直径約2.2メートルの水車を、ノリの種(胞子)が入った海水タンクに漬けて回転させ、網に種を付けた。時折、網の一部を切り取って胞子が付着しているかを顕微鏡で確認した。

 作業は9月10日ごろまで行う。網は海水がノリの養殖に適した温度に下がるまで冷凍庫で保管し、20日ごろから松島湾で育苗する。その後、石巻湾に移して11月上旬に収穫を始める。

 同支所は東日本大震災前の2009年に約7200万枚のノリを生産。震災で大幅に落ち込んだが、近年は8割まで回復した。

 昨年は猛暑による高水温の影響でノリが死滅するなどし、約4800万枚にとどまったものの、全国的に不作となったことで平均単価は高かった。今シーズンは例年並みの約6000万枚を目指すという。

 同支所ノリ部会長の阿部泰輔さん(55)は「他の水産物と同じで高水温が心配。それでも、質が良くおいしいノリを作るので楽しみにしてほしい」と語った。

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