クラウドスミス（仙台市青葉区）

ショクバ訪問｜企業支える職人の「技」

（※記事内容は２０２４年４月３日時点のものです）

　明るい色調で統一されたクラウドスミスのオフィスには、パソコンがずらりと配置され、高度なＩＴスキルを持った「職人」たちが仕事に励む。社員同士の仲が良く、ミーティングルームに備えられたニンテンドースイッチを休憩時間に使ったりもするという。オンとオフの使い分けが、創造性を育む原動力だ。

　チームでプロジェクトをやり遂げることが、やりがいにつながっている。同社執行役員でＩＴソリューション事業部長の千葉高幹（たかもと）さん（４５）は、「お客さまと会社の垣根を越えて、それぞれの得意分野を生かし、ものづくりを行うことに充実感を感じる」と語る。

　ＳＩ事業部開発リーダーの高橋和秀さん（３２）は保育所職員の人事評価システムなどを手がけてきた。「プロジェクトごとに、新しいことを学べる楽しさがある」と声を弾ませる。

　ＩＴ業界は技術者不足が深刻で、獲得競争が激しくなっている。クラウドスミスでは、未経験者の採用にも力を入れ、社内で積極的に育成を行って人材を確保している。毎週金曜には勉強会を開催。社員それぞれが勉強の成果を発表し、共有することで技術力の底上げを図っている。さらに、その成果をブログに掲載して、新たな人材獲得の呼び水にもなっている。

　高橋さんは「首都圏の企業と仕事をすると、技術では負けられないと感じることがある。勉強を重ね、自分の技術を伸ばしていきたい」と向上心は尽きない。

　今秋には本社オフィスをアーバンネット仙台中央ビル（仙台市青葉区中央）に移転し新たなスタートを切る。千葉さんは「仙台をはじめとして、地方に貢献できるようなビジネスを進め、ゆくゆくは自社サービスを展開したい」と意欲を見せる。

インタビュー／下村暁代表取締役／待遇厚くし業務拡大へ

２０１７年設立の若い会社です。

私は元々、仙台でのＩＴ企業勤務を経験後、東京拠点のベンチャー企業の仙台事業所開設に携わり、その過程で仙台発のＩＴのサービスを提供したいと考え、独立しました。ＩＴ業界では専門スキルを身に付けた人材確保が大きな課題になっています。しっかりした待遇や人材育成ができる企業を仙台につくり、東北人として地域の活性化に寄与したいと思ったこともきっかけです。

　－どのような事業を手がけていますか。

　業務系の基幹システムやＩＴサービス開発を中心に、業種を問わずさまざまなアプリケーション開発や、チームで開発を支援するＳＥＳ（システムエンジニアリングサービス）事業などに取り組んでいます。取引先は仙台圏、首都圏の中小企業など約５０社に広がりました。最近は企画開発から保守管理までを一括して任せていただける、システムインテグレーションの事業も増やしています。

　－転職も多い業界の中で、創業以来の社員定着率が１００％とお聞きしました。

　給与面での努力に加え、勉強会を開いたり、技術成果発表用のブログを開設したりするなど、スキルアップの機会をつくってきたのが良かったかもしれません。福利厚生では今年初めて社員旅行を企画しました。みんなで東京ディズニーリゾートで楽しんできます。

　－今後の抱負をお聞かせください。

　８年後に売り上げを４倍の１０億円、社員数を２倍以上の８０人にする目標を立てました。そのためにも当社独自のサービス開発に一層力を入れていきます。また、オフィスが手狭になり、今年秋にはアーバンネット仙台中央ビルに移転します。仙台市再開発のシンボルとなる最新鋭のビルで、就労環境向上はもちろん、社のイメージアップや人材確保にもつなげていきたいですね。