東邦アセチレン（多賀城市）

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ショクバ訪問｜食品用ガスも積極展開

（※記事内容は２０２４年１２月６日時点のものです）

　企業活動や暮らしに欠かせないガス。は、産業用ガスや一般家庭向けのＬＰガスを安定供給し、社会インフラを支えている。近年は飲み物の泡を作る食品用ガス「エスプーマ」事業に注力。大手外食チェーンを顧客に抱えるなど、勢いに乗る。

　若手社員の活躍が職場に活気を生み出している。産業用ガスの品質管理やガスの用途開発を手がける環境保安・品質保証部は２０、３０代の社員が中心の部署。入社４年目の下村侑希さん（２６）は「製品の分析を通して成分を保証することで、社会の縁の下を支えていると感じる」とやりがいを語る。

　社員の仕事ぶりを支えているのが福利厚生の充実だ。同社は借り上げ社宅制度を導入し、家賃補助も手厚い。また、業務に関する資格取得のための受検料や教材費は会社が全額負担し、スキルアップを後押しする。９月には、時間単位の年次有給休暇制度と育児休業取得者の業務をカバーする従業員への手当を創設。社員が誇りを持ち、安心して働ける環境づくりに努めている。

　経営企画・連結経営部の村上遥さん（２６）は「女性の採用が増え、相談しやすい環境になった。制度面でも働きやすくなり、全社員にとって優しい職場になっている」と変化を肌で感じている。

　主力製品の一つであるＬＰガスは「災害に強いガス」と言われ、東日本大震災などの被災地で力を発揮し、有用性が再認識されている。エネルギー営業部の宮野真志（なおし）さん（３０）はＬＰガスの新たな可能性に着目する。同社はＣＯ２排出量を相殺できる「カーボンクレジット」に対応したＬＰガスを扱う。宮野さんは「燃料転換の推進や、環境に配慮したＬＰガスの普及促進を図っていきたい」と意気込む。

いんたびゅ～｜堀内秀敏代表取締役社長／常に先見据え成長加速

　－６月下旬に社長に就任しました。抱負を聞かせてください。

　厳しい事業環境が続く中ですが、従業員とコミュニケーションを綿密に取って信頼関係を築きながら、グループの力を結集していきます。どんな環境下でも従業員と共にさまざまな困難に果敢に挑戦し、これからも成長、発展を図っていきます。

　来年は創立７０周年を迎えます。時代の変化に合わせて常に先を見据えながら取り組んできた当社のＤＮＡを次世代に引き継ぎ、会社の成長をさらに加速させていくことが私の使命だと思っています。

　－外食産業で食品用ガスが注目を集めていますね。

　業界内にいろんな企業がある中で、非常に特色のあるジャンルだと思っています。東北を地盤としてガス事業に取り組みながら、食品用ガスは全国展開の大手チェーン店を中心に供給しています。インバウンド（訪日客）も加わりカフェ需要は旺盛で、成長の鍵となるのが用途拡大です。

　２０２２年７月開設の東京支社、２４年１月開設の大阪支社にそれぞれ設置したデモキッチンを活用し、調理器具「エスプーマ」を利用したレシピを積極的に提案しています。大手外食産業に対する提案営業をより一層強化しながら、ガスだけではなく、泡の魅力も伝えていきたいです。

　－今後の長期的な展望を教えてください。

　グループが一丸となって会社を誇りに思い、絶対に成し遂げるという気概を持ちながら、やりがいや働きがいを感じてもらえる「東北発のきらりと光る企業」を目指します。東北で地元密着型の営業展開をし、地域に貢献することを会社の軸足にしつつ、食品用ガスのような新規事業は全国展開で進めていきます。

　まずは２２年度にスタートした中期経営計画に沿って、２５年度に経常利益２５億円、純利益１６億円の目標達成に注力します。既存事業の競争力強化と成長分野への積極投資を行う両利き経営でさまざまな事業基盤強化策を実行し、グループの企業価値向上に取り組んでいきます。