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ツール・ド・東北2024 エイドステーション、自慢の味でおもてなし 石巻地方

雄勝ASで炭火焼きのホタテをスマートフォンで撮影するライダー=15日午前9時20分ごろ
雄勝AS脇の防潮堤に描かれた壁画。ライダーがスタンプを押して完成に近づけた=15日午前8時30分ごろ
女川町商工会女性部のメンバーが名物の女川汁をライダーに振る舞った=15日午前8時15分ごろ
最後のASとなる北上ASで冷やしわかめうどんを味わうライダーたち=15日午後1時15分ごろ

 「ツール・ド・東北2024」が15日、石巻地方を中心に実施された。石巻市や女川町などのコースに開設された7カ所のエイドステーション(AS)では、地域住民がサンマやホタテ、ワカメなどを使った郷土食を振る舞って激励。雨の中で立ち寄ったライダーたちの心を温めた。

■雄勝 ホタテ焼き、笑顔誘う

 雄勝ASが開設された石巻市の雄勝地区多目的広場では、朝に水揚げされたホタテの炭火焼きやギンザケを使ったおむすびにライダーが舌鼓を打った。

 炭火で豪快に焼かれたホタテは香ばしい香りを漂わせた。到着したライダーは地元住民との会話を楽しみながらホタテ焼きをスマートフォンで撮影していた。

 自転車仲間と訪れた埼玉県蕨市の会社員金久保雅刀(まさと)さん(31)は初参加。「学生時代に仙台に住んでいたが、石巻に来るのは初めて。景色がきれいで走りやすい」と楽しんでいた。

 ライダーたちは近くの防潮堤に制作中の壁画アートにも参加した。東京の芸術家や地区住民が防潮堤の一部(縦15メートル、横15メートル)に描く人魚の絵で、ライダーは魚やクラゲ、貝などのスタンプを押して完成に近づけた。

 神奈川県小田原市の自営業奥山真理子さん(44)は2年連続の参加。「走りながら海岸線が見えて気分が良かった。防潮堤は絵があった方が心が穏やかになれる。また雄勝に来たい」と完成を心待ちにしていた。

■女川 サンマのつみれ汁1600杯

 女川町の女川駅前広場に設けられた女川ASでは、町商工会女性部のメンバーが手作りのサンマつみれ汁「女川汁」を振る舞った。

 前日から野菜を切るなど準備し、メンバー20人が大鍋で約1600杯を作った。すり身団子にネギや豆腐を加えた漁師町伝統の味。その年のサンマの脂の乗りに合わせて味付けを微調整しているといい、「これが食べたいから」と毎年参加する常連ライダーも多い。

 女性部長の阿部鳴海さん(63)は「ツール・ド・東北がきっかけになり、女川を観光で再訪してくれる人もいる。元気と笑顔でおもてなししたい」と話した。神奈川県平塚市の会社員大石拓海さん(25)は「心も体も温まる一杯です」と笑顔で味わっていた。

■北上 冷やしうどん、十三浜産ワカメ練り込む

 気仙沼大谷海岸、北上両フォンドでは最後の北上ASは石巻市北上地区の白浜ビーチパークに設けられ、地区の特産品「十三浜ワカメ」を使った冷やしわかめうどんを提供。ライダーの火照った体を冷ました。

 北上地域物産振興協会の会員ら約40人が約1200食を用意。ワカメを練り込んだ麺は鮮やかな緑色で、具材の味付けメカブの塩っ気が食欲をそそった。協会の西條幸正さん(59)は「ワカメの風味を楽しんでほしい」とPRした。

 ともに東京都から参加した会社員田中望さん(53)は「喉越しが良くおいしかった」と笑顔で、友人で自営業の古矢優さん(52)は「雨の中でも明るく応援してくれる地域の方々に元気をもらった」と語った。

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