ツール・ド・東北2024 秋雨の中、ライダー1303人快走 復興の地巡る3コース
東日本大震災で被災した県沿岸部を自転車で駆け抜ける「ツール・ド・東北2024」(一般社団法人ツール・ド・東北、河北新報社主催)が15日、石巻市や女川町など4市町で開かれた。断続的に雨が降るあいにくの天気だったが、1303人のライダーが復興の進んだコースを巡り懸命にペダルをこいだ。
走行イベントは石巻専修大を発着地とする3コースで展開。4市町を通る「気仙沼大谷海岸フォンド」(180キロ)が午前6時にスタートし、続いて北上フォンド(100キロ)、女川・雄勝フォンド(65キロ)のライダーが出発した。
走行中はコース途中にある石巻市の震災遺構大川小に立ち寄る人の姿もあり、多くの参加者が震災の教訓や変化する風景を心に刻みながらペダルに力を込めた。
夫婦で参加した埼玉県川口市の会社員水野由布子さん(44)は6回目の出走。「参加当初は仮設住宅から応援してもらったけど、今は高台に住宅が建てられ、新しい道路やトンネルもできた。復興が進んでいると感じ、毎回感動して元気をもらっている」と話した。
ツール・ド・東北は2013年に始まった。順位やタイムを競わないファンライド方式で行われ、11回目となる今回は運営を地元主体の態勢に一新した。
石巻市北上地区出身の武山兵記さん(69)=多賀城市=は、1回目からボランティアで北上エイドステーションの運営を担ってきた。「復興支援をきっかけに知り合った人や地元出身者と一緒に続けているので、毎年再会の場になっている。皆さんに元気をもらい、応援の気持ちでライダーを送り出している」と語った。
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