(1008)愛惜を荷作りせよと虫そぞろ/山中葛子(1937年~)
「愛惜」は、親しみ愛するがゆえに惜しみ大切にすること。「荷作りせよ」は、長い人生でためたそれらを手放す準備をせよという意味だろう。秋の虫の声にもの寂しさを感じ、「そぞろ」には心が定まらない様子がにじ…
関連リンク
- ・(1007)秋の風鈴まるで初めて鳴るやうに/遠藤由樹子(1957年~)
- ・(1006)秋雨の闇どつと開く無人駅/桐野晃(1980年~)
- ・(1005)比良坂へ桃を放りて長生す/柿本多映(1928年~)
- ・(1004)好きな絵の売れずにあれば草紅葉/田中裕明(1959~2004年)
- ・(1003)健啖(けんたん)のせつなき子規の忌なりけり/岸本尚毅(1961年~)