(1032)鳴るまへに目覚まし止める旅の秋/栗林浩(1938年~)
壁の薄い宿だろうか。昔ながらの湯治宿だと、障子で仕切られただけの個室ということもある。とはいえ、目覚まし時計が鳴ることを気にして眠ると、案外早くに目が覚めるもの。山の中の宿なら、朝のひんやりした寒さ…
関連リンク
- ・(1031)新米のかをり新刊書のにほひ/村上喜代子(1943年~)
- ・(1030)阿弖流為(アテルイ)の形見ぞ虫の原一枚/高野ムツオ(1947年~)
- ・(1029)星空を纏(まと)うてゐたる虫のこゑ/石母田星人(1955年~)
- ・(1028)仕事とて燈下(とうか)親しむ心あり/稲畑汀子(1931~2022年)
- ・(1027)胎の子に母は風音母に秋/池田澄子(1936年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。