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仙台中心部の肉厚カツ丼の人気店、復活 9月に閉店するも友人が事業承継

肉厚カツ丼の味を受け継ぐ「ひさご分店」を開店した赤間さん(右)と、前店主の鈴木さん

 今年9月に閉店した肉厚カツ丼の人気店「ひさご」(仙台市青葉区一番町4丁目)の味が、現地で復活した。店主だった鈴木正孝さん(69)=青葉区=の30年来の友人、赤間祇大(まさひろ)さん(58)=同=が「80年続いたのれんを継ぎたい」と店名を「ひさご分店」に改め、10月7日に営業を始めた。

 赤間さんは1993年、バラックの連なる東一連鎖街にたこ焼き店を出し、鈴木さんと知り合った。今年8月にひさごの閉店を聞き、鈴木さんに事業承継を提案。了承を得て、内装や調理器具などを自費で新調した。

 調理場には、鈴木さんの妻あつ子さん(68)がスタッフとして入る。豚肉の厚さが約2センチもあるカツ丼やラーメン、カレーなどおなじみのメニューの味も量もそのまま。鈴木さんも出前などを手伝う。

 価格は材料費の高騰から100~200円引き上げた。人気のカツ丼(1250円)は、具とご飯を増量した大盛(1350円)と特盛(1500円)を加えた。

 初日の7日は、午前11時の開店前から10人ほどの列ができた。客からは「続けてくれてありがとう」などと感謝されたという。

 赤間さんは青葉区国分町で経営するお好み焼き店を休業してサポートに入る。「将来的には、あつ子さんの味を継ぐ人を探し、のれんを守っていきたい」と強調する。

 ひさごは戦後間もなく東一連鎖街に出店した。コロナ禍の売り上げ低迷、2代目の鈴木さんの体力の衰えなどから9月10日、惜しまれつつ閉店した。

 ひさご分店の営業時間は午前11時~午後7時。日曜祝日定休。電話は022(265)6433。

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