(1035)夜々月の雫(しずく)や凝つて蔓(つる)ぶだう/溝口素丸(1713~1795年)
「月の雫」というそれだけで幻想的な雰囲気がある。夜ごとに月の光が滴となって落ち、凝縮して葡萄(ぶどう)の一粒一粒になったのではないか、の意。葡萄に付いた朝露は葡萄を潤してみずみずしい色を透かしている…
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