正月の暴飲暴食をリセット【特集】はじめよう健康な食卓
いよいよ年末年始がやってくる。つい食べ過ぎてしまい、正月が明けたら食生活に気をつけようとする人も多いのでは。そんな人たちに、食材を扱う専門家から健康づくりに役立つおいしい食材やレシピを教えてもらった。
■ビタミンB12やタウリン豊富 ~ホッキ飯(仙都魚類)~
亘理町や山元町など宮城県南で水揚げが盛んなホッキ貝。身が大きくなる12月から3月にかけてが旬で、両町の料理店には「ホッキ飯」がメニューに並ぶようになる。ホッキ貝には赤血球を作る働きを助けるビタミンB12、体内の機能を一定の状態に保つ役割を果たすタウリンの他、亜鉛や鉄分が含まれている。
水産卸・仙都魚類(仙台市若林区)鮮魚第1部長の岡野力さんは「宮城のホッキ貝はここ数年、身がパンパンに入るようになり、市場の評価が高まっている。ぜひ食べてほしい」とPRする。
砂地で育ったホッキ貝は貝殻が黄土色、泥地は貝殻が黒っぽいという。「砂地育ちの方は身がやわらかく、泥地は硬めだが火を通すと赤くなる部分の色が濃く出る。映えるので市場内では黒が好まれるけど、個人的には黄土色の方が好き」と岡野さん。
ホッキ貝をさばくときは、砂やごみが付きやすい水管とヒモの部分を湯通しして、ぬめりを取ってから掃除するのがお勧めという。
〈材料〉
米…3合
ホッキむき身…5~6個分
麺つゆ 6倍希釈…大さじ3
※メーカーにより異なることも
〈作り方〉
①米を研いでざるに上げる
②ホッキ貝がかぶるぐらいの熱湯でさっとゆでる(ゆで過ぎると硬くなるので注意)
③❷のゆで汁は布でこして汚れを取る
④❸と麺つゆ、水(分量外)で炊飯する
⑤❹に❷のゆでたホッキ貝を軽く交ぜ、好みでミツバを散らす
※貝殻の中の液体を炊飯に使う場合は煮沸して布でこす
■1日200g 「朝フル」始めよう ~フルーツサラダ(フルーツショップ青木)~
ビタミンや食物繊維などが豊富なフルーツ。ひと手間かけて、旬の彩りが鮮やかな「フルーツサラダ」はいかが。
レシピを教えてくれたのはフルーツショップ青木仙台富沢店(仙台市太白区)の店長、根本由佳子さん。「火を使わず、調理も手軽。冬が旬のフルーツはビタミンCが豊富で、風邪予防や美肌効果が期待できる」と話す。
同店では、朝にフルーツを食べる「朝フル」を推奨。特に食前に食べる「先フル」を勧める。消化の良さを存分に発揮でき、食後の血糖値を上がりにくくしてくれるそう。
店頭では「フルーツを1日200g以上食べよう」と呼びかけ、3日分の詰め合わせ「フルフル200セット」を提供。バナナ問屋から始まった同店の一番人気商品、バナナが必ず入る。
〈材料 2人分〉
旬のフルーツ(イチゴ…1/2パック 香粋キウイ(香川県産の小ぶりなキウイ)…4、5個 オレンジ…1個 メロゴールド…1/2個 キンカン…4、5個 ザクロ…適量) ベビーリーフ…1袋 オリーブオイル…大さじ1/2~1 塩…2つまみ 黒コショウ…少々
〈作り方〉
①フルーツを切る
②飾り付け以外のフルーツとベビーリーフに塩を振り混ぜ合わせる
③皿に盛りつける。オリーブオイルを回しかけ、黒コショウを振って完成
〈データ〉フルーツショップ青木 仙台富沢店
仙台市太白区富沢西4-20-14
TEL022-724-7485
営/9:00~19:00 ※12月31日(火)、2025年1月2日(木)は18:00まで
休/1月1日(祝)
■「お酢習慣」で心身リフレッシュ ~りんごホットフルーツ酢(ミツカン東北支店)~
防腐・殺菌効果などから、「体に良い」イメージで親しまれるお酢。ミツカン東北支店の横山光之支店長は「健康維持と心身のリフレッシュ効果のために、新年から毎日お酢を取ってみてはどうでしょう」と呼び掛ける。
お勧めは毎日、大さじ1杯(約15ml)分を取ること。薄めず飲むと粘膜を痛めるため、5~10倍に薄めたコップ1杯分を飲むのもお勧め。教えてもらったレシピは旬のリンゴを使ったフルーツ酢。冬はお湯で薄めたホットで楽しめば、心も体も温まりそうだ。
横山支店長によると「東北は味噌、醬油、お酒の醸造文化。発酵に比較的高い温度が必要なお酢はあまり作られず、数十年前はややなじみが薄かった」のだという。とはいえ、食習慣の多様化もあり、同社の「カンタン酢」のような「お酢の調味料」は普通の家庭の味になっている。三陸の魚介を使った寿司にも酢は不可欠。最近は「赤酢」の酢飯がトレンドという。「味の幅を広げる酢を食事に取り入れて、元気な1年を目指しましょう」と横山支店長。ミツカンはWEBサイトで多彩なレシピを紹介している。
〈材料 8人分〉
リンゴ…100g
ミツカン純玄米黒酢…200ml
※リンゴ酢に変えるとさらに香り豊かになる
はちみつ…200g
〈作り方〉
①リンゴは洗ってペーパータオルで水けをふく。皮付きで4等分に切り、芯を取り薄切りにする
②「純玄米黒酢」にはちみつを加え、かき混ぜて溶かす
③密封できる広ロ瓶に❶❷を入れ、ふたをして冷暗所で1週間漬ける
④漬けている間、1日1回、ふたをしたまま軽く振り混ぜる。1週間後に果実を取り除く
⑤お湯で5倍程度に薄める
※黒酢を使うとこくのある味になり、リンゴ酢を使うと果実の香りがぐっと増す。取り除いた果実はお好みで食べてもOK。冷蔵保存で数カ月をめどに飲み切る
■仙台牛とネギで免疫力アップ ~仙台牛ネギ巻き(肉のいとう)~
仙台牛の赤身肉を使い、手軽にさっぱりと食べられる肉料理を、老舗精肉店「肉のいとう」が運営する「たんしゃぶ焼肉のいとうヨドバシ仙台店」(青葉区)の平塚みゆきさんに教えてもらった。
教えてくれたのは、強い殺菌作用があり風邪の予防効果も期待できるネギを、赤身肉で巻いた「仙台牛ネギ巻き」。仕上げにからませた醬油とバターのソースはなんとも香ばしく、減退気味の食欲が再び刺激される。
平塚さんによると、牛肉には体を作るもととなるタンパク質が多く含まれるほか、造血作用があり植物性食品には含まれないビタミンB12が、豚肉や鶏肉と比べて多く含まれているとのこと。さらには、鉄分や亜鉛といった美容効果が期待できる栄養素も含まれているため、寒く乾燥も気になる季節を健康に過ごすのに牛肉は打ってつけなのだとか。仙台牛を使うことで、焼いても硬くなりにくく肉本来の食感が楽しめるという。
〈材料 2人分〉
仙台牛赤身薄切り(すき焼き用)…4枚
長ネギ…1/3本 小ネギ…1/2束
塩、こしょう…少々 薄力粉…大さじ1
サラダ油…大さじ1 酒…20㏄
濃い口醬油…5cc バター…10g
〈作り方〉
①長ネギを1/3の長さにカット、それをさらに半分にしたものをフライパンで焼き目を付ける。電子レンジ600Wで20秒加熱した後、余熱を取る
②まな板に牛赤身肉を広げて並べ、塩こしょう、薄力粉の順に振る。そこに❶を乗せて巻く
③小ネギは肉の幅より1cm長めに切り、長ネギ同様に巻く
④フライパンにサラダ油を引き、❷、❸を肉のつなぎ目を下にして表面に焼き色が付くまで焼く
⑤❹を取り出し火を強火にして酒20ccを入れ、1分加熱しアルコールを飛ばす。その後、火を弱火にし、❹を戻して醬油5ccを入れ、2分加熱。最後にバター10gを入れ溶かして肉になじませる
⑥横半分にカットしてお皿に並べたら完成
〈データ〉肉のいとう本店
仙台市青葉区米ケ袋1-6-8
TEL022-222-5647
営/10:00~20:00 ※日曜は18:00まで
休/2025年1月1日(祝)~3日(金)
※紹介した「仙台牛赤身薄切り」は本店でも購入可能
(河北ウイークリーせんだい 2024年12月28日号掲載)
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